Sunday, January 20, 2008

コンサルティングプロジェクト

先日、ワシントンDCにも雪が降り、5cm位積もりました。今年は2回目かな。つい先週までは快適にゴルフができるくらいの気候だったのに、今は寒くて、手袋とマフラーなしでは外に出れなくくらいになっている。
去年は異常気象で寒かったそうな。今年は異常気象で暖かかったようだが、ついに寒くなってきたという感じですね。

さてさて、そんな中、2年生である私はGlobal Integrativeの準備に向けてがんばっています。

Global IntegrativeとはジョージタウンMBAの特徴でもある、海外(USから見て海外)で行うコンサルティングプロジェクトです。 私はDubaiの会社がDubai(UAE)からGCC(Gulf Cooperation Council -- UAE、サウジアラビア、カタール、オマーン、クウェート、バーレーン)にビジネスを展開するときの戦略、そしてそれをサポートするプロセス/システムを提案することになっています。

私のチームは5人。アメリカ人、アメリカ人、韓国人、中国人、そして私。アメリカ人の二人はアジア系アメリカ人なので、アジア色の強いチームなんです。

このプロジェクトがどのように進んでいくかというと、Clientとメールのやりとりをしたり、電話会議をしたりして、情報を収集して、話し合いを進めていきます。そして、毎週のように教授とミーティングをして、アドバイスをもらいます。 週に1 or 2回行われる講義ででもDubaiの経済などバックグランド情報に関しての知識もつけていきます。そんな事を行いながら、1 Moduleの間に提案内容を練っていき、最後に現地に飛んで1週間作業して最終提案をするということになっています。

ちなみにDubaiってすごいですね。いま、「Amazing City」と言われているそうなんですが、急激に発展している都市なんです。なんでも世界一のものを造ってしまったりしているのです。

おもしろいのは、UAEは首長国なので、ようは首長さんが政治をしているんです。 首都であるDubaiも首長さんが仕切っていて、首長は代々ファミリーで引き継がれているのです。 つまり、選挙とかで首長が選ばれるわけではないので、国や街の政策を考えるときにすぐに結果を出す必要性がなく、長期的な視点で考えられるらしいのです。なので、Dubaiはいま色々な将来を見据えた国家プロジェクトがあります。 例えば、世界一大きい人口港を造り、Hubとなる巨大な空港を構築中、空港のそばに商業地帯を設け、税金がかからないフリーゾーンもつくる。 それにより、世界最大の物流センターを造ろうとしていたりします。 すごいですね。 場所的にもアジアとヨーロッパ、そしてアフリカの中心に位置し、Global化が進む中では将来的に物流の拠点として本当に重要な役割を占めるのではないでしょうか。

Dubaiの話を大分してしまいましたが、、、このコンサルティングプロジェクトで、いままで考えることもなかった国の会社をコンサルティングするので、新たな発見があってとても刺激的です。 これからが本当に楽しみです。

Rettangolo

Thursday, January 17, 2008

株主

日本の株価がぱっとしないですね。というよりも、大分売られていますね。外人による売買高が3~5割、個人投資家も2~3割くらいを占めているといわれる東証だから、昨今の日本の状況を見ていると仕方ないのかなとも思いますが。東証のPERも大分割安なんだけどなぁ。。

ジョージタウンに来るまでは邦銀にいたのですが、最近、その頃の自分をよく思い出します。お客のバランスシートを見ては、預金と負債の両建て解消によるROA改善とか、売掛や手形の流動化でバランスシートのスリム化とか、企業の資金ニーズがなくなるといつもそんな提案をして年度の予算達成を目論んでいたものです。MBAに来て、ファイナンスやアカウンティングではっきり言って全く知らなかったことはないです。まあ、細かい計算やらを除きますが。でも、授業やメディア、友人(特にルームメート)の話を通じて如何に日本の金融システムが未成熟か(ある意味成熟しているのかもしれませんが、その場合、如何に世界水準とかけ離れているか)を強く認識させられます。結果的に株主軽視となっている日本の企業風土、そしてそれを残念ながら助長している邦銀。先述の私の予算達成の毎度の提案なんぞ、まさに株主価値増大なんて意識はないし、それを達成するツールには程遠く、授業中にたまに赤面してしまうくらいです。。。

先学期ですが、とあるファイナンスのクラスでRecapitalizationの話がでました。Recapなんて、理論だけで絶対に審査部認可にならんぜよって思い(実際そうだった。。。)、元メリルのIB部門のMDだった教授に質問し、そんなの、ありえませんよね、理論上の計算に過ぎないですよねと主張したら教授に笑われました。株主価値増大という概念が欠如している邦銀が金融の中心にいる日本で育った私にとっては結構な驚きでした。。。スモールキャップの企業を担当していた時に、業績が最悪期から脱した企業の社長や財務役員から一体どれくらいまで貸してくれるのとよく聞かれました。これこれあれこれなんで、大体これだけまで負債があっても大丈夫ですと答えていたのですが、株主価値が最大化となる資本最適比率なんて発想は少なくても私にはなかったです。知識として学習はしていましたが、提案としての発想はなかったですね。まだ若かったといえども、皆さん、いつも自分を信頼してくれて信じてくれたので、今となっては色々訂正したい気持ちで一杯です。。。

株主よりも従業員を大切にする日本の企業風土は、個人的には素晴らしいと思っていました。そのために、MAやLBO案件が欧米対比、極端に少ないのも全く問題ないと。間接金融である銀行が昔のように産業界の中心でいつづけるには、どうすればいいのかとMBAに来る前にはよく銀行の同僚と飲み屋で議論したものです。でも、ここに来てから日に日に果たしてその考え方で日本はやっていけるのかと強い懸念を感じています。

株主価値を一番に考えない日本で、株主価値の大切さを教えない銀行が力をもっている日本の金融マーケットから、外国人が資金逃避するのはそりゃ当たり前ですね。結果、Indexが下落してせっかく育ちつつあった個人投資家も打たれ、企業年金の負債分は増え、株価は更に下がる。国全体として徐々に徐々に力を失っていく悪循環ですね。経済力がなければ軍事力も制限されている日本が政治面で発言力を増すことは不可能に近いし、日本が国家として衰退していく気がして本当に心配です。

日本のコアコンピテンスは物作りと信じてやまない私は、(事実、上場企業の半分が製造業、、だったと思う)、あとは資金が日本に流入する仕組みさえしっかりできれば(政策によるハード面と企業経営者心理のソフト面)、日本は必ず復活すると思うのですが。。。

先日、駐米大使館の公使を招いて勉強会をやりました。テーマは、日本のPublic Diplomacy。日本のPublic Diplomacyをやりたいならば日本経済(つまり日本企業の株価)が復活する仕組み作りを国(政治家や官僚)が真剣に考えることが先と思い、その後の食事会で公使にも若手官僚にも伝えました。実際、バブルのころ、日本にお金があふれていた頃、Public Diplomacyなんてしないでも日本は世界の注目の的だったのだから。“尊敬される”ために一層のPublic Diplomacyをやるのならわかるのですが。。。Made in Japanの製品がRespectされたように、日本の企業が成長する土台を整備すればいいのです。

そんな話していたら、総合商社から派遣されている一年生が外資に日本企業が買収されることによる国家としての負の連鎖について語り始めて、なるほど、いいことを言うなと思う一方、やっぱりまだまだ日本人の意識改革は進まないのかなとも思ったりも。

アメリカでは、確実に会社は株主のものです。株主のために企業経営者は短期利益に偏重しがちです。それは悪だ!といったら、アメリカ人ルームメートが、短期利益をこつこつ更新していき、それが長期的にもっと大きい利益につながる。今、アメリカの経営者はそう考えている筈さと。うーん、、、日本の経営者も金融関係者もやっぱり企業経営と金融市場に限るとアメリカに大分遅れているよな。。。外人投資家、やっぱ逃げるよね。。。

自民が勝っても民主が勝っても格差社会是正で財源を地方に分配するといっている日本政府や外資に買収されないように株主価値を無視した買収防衛策を導入する日本企業。心配です。まあ、日本人のコンセンサスがフランスみたいな国家作りならば話は別ですが。(あくまで、フランスはイメージ先行でよく知りませんが。笑)

5月の卒業を控えて銀行に戻ってからジョージタウンで感じたことを出来る範囲で活かさないと。。。そのためにはどうすればいいのか。そんなことを思いながら、やっぱ卒業したくないなと思いジタバタする今日この頃です。。。