Wednesday, January 28, 2009

Inauguration 2

既にKENさんより更新されていますが、ワシントンならではの出来事として、大統領就任式がありました。ならではというよりは、4年もしくは8年に一回の貴重なイベントと言うべきでしょうか。
週末で約250万人が、ワシントンに流入したようです。もともと都市としてのワシントンの人口が約400万人ですから、この人の集まり方のインパクトも相当なものです。

まずは18日曜日、記念式典コンサートがリンカーンメモリアルで開かれました。
Beyonce, Bono, Usher,など様々なミュージシャンが集まって、大統領の就任を祝います。
他国からの留学生とも話しましたが、大統領の就任を祝って著名ミュージシャンが集まるというのは他に聞いたことがありません。直接民主主義である事を考慮しても、非常に面白い。
ミュージシャンにとっても、政治的発言でファンを失う事よりも、ノンポリである事のほうがむしろリスキーなのでしょうか。実に独特な文化だなと思いました。

人出はこのような感じ。

敷地内に入るため、朝8時から当日券を求めて6時間並んだ挙句に入れなかった人もいて、すごい熱気。当日は最高気温でも3度。皮膚感覚としてはマイナス3度くらいので、みんな相当寒い思いをしているのでしょうが、それを持って有り余る人出でした。

普通これだけ大きな国になると、行政・政治と人々の意識との間には大きな溝ができてしまいそうな気がします。でも、ここでは「おらが街のリーダー」、オバマさんとそれを支える人々の意識には連続性があるような気がします。
直接民主主義と間接民主主義との違い、あるいは国による大統領・首相の権力構造の違い、様々な要素があるとは思いますが、それにしてもこの個人対し、選挙を通じ大きな権力を与え、圧倒的なリーダーシップを求める点は、非常にユニークだと思いました。
優秀な個人がリーダーシップを発揮して集団を導くことを「是」とするのは、企業の成り立ち方でも、集団形成においてもアメリカでも多くみられると思いますが、国政にその文化が色濃く表れているのだなと成程実感。

19日は特に目立ったイベントはありませんでした。
しかし、明日の式典、前日のコンサートの余韻を楽しむがごとく、多くの人がモール周辺を歩いていました。そして、オバマグッズを売る店(人)の数々。バッヂや写真Tシャツ、トレーナー、毛糸の帽子、オバマホッカイロまで含めて、ありとあらゆるものがグッズとして(肖像権無視で)売られています。ブロマイドや下敷きまであって、昔のアイドルのコンサート的な感じ。



そして就任式の20日。ものすごい人数がDCのモール(スミソニアン)に集まって就任演説を聞いてました。ほんとに寒かったので家でTV観覧。就任パレードを見るべく出かけましたが、基本的に道路両脇はチケット制になっており入れません。チケットは配布開始2分で完売したとか。
交差点の角からギリギリ見えるか見えないかというところで見てました。
結果として見えたような気もしますがわかりません。とりあえず手を振ってる人が見えたのですが。オバマ以外が手を振っているはずもないでしょうから、きっと本人だったことでしょう。
予定は2:30パレード出発でしたが、ここもアメリカらしく適当に45分ほど遅れてスタート。遅れたことに観客がブツブツ文句を言うわけでもなく、警備員(警官が)詳しい予定や遅れの状況を知っているわけでもなく、ここでもやはりアメリカらしい何事にもざっくりした文化を見せつけられました。

初の黒人大統領ということで、今後何かと取りざたされると思います。白人と黒人のハーフでハワイ生まれ、インドネシア育ち、シカゴ大学のエリートへ上り詰めるというストーリーは、使い方次第でアドバンテージにも逆にもなり得ます。決して個人的にパックスアメリカーナ万歳派なわけではありませんが、最大のGDPを生み出す国の回復は、日本のみならず世界全体に多大な影響を及ぼすのは間違いありません。想像を絶するプレッシャーなのだとは思いますが、それを乗り越えて、自らの特性をうまく生かし、リーダーシップを発揮してほしいと個人的にはとても期待しています。

案の定風邪をひきましたが、8年(4年?)に一回のイベントを見れたのは良かったです。まさしく現代の祭りでした。

K.H.

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