Wednesday, October 22, 2008

Mod 1 終了

8月下旬に始まったModule 1が早くも先週期末テストを迎えました。そのなかで、私が選択科目として受講したMarket Segmentationについてご報告しようと思います。

実はこの科目、前年の2年生による前評判が非常に悪く、最初は敬遠していました。ただ、Module 開始の第1週に試しに出席したところ、その講義が実際の企業とのコラボレーションから成り、非常におもしろく感じられたので受講を決めた次第です。

その内容とは、SPSS(統計解析ソフト)を駆使して、消費者アンケートからターゲットを策定するという実にシンプルなものです。ただ、それは手段であって、このクラスが求めるところはもう少し実践的です。Beiersdorf社が実際にアメリカ市場に向けてローンチしたばかりのNIVEAのリップクリープについて、

1)アンケート回答を分析してターゲットを再検討し、
2)データに基づいてそのターゲットカスタマーのプロフィールを作り、
3)どのようなプロモーションがそのターゲットに効果的であるか、
4)また、現在のテレビCMを含めたターゲティング、製品のポジショニングの問題点は何か、

を、Beiersdorfの北米支社の担当者の前でプレゼンすることが求められます。苦戦するアメリカ市場でNIVEAブランドをどのように強化していくのか、が課題のようです。

ちなみに現在のリップクリームのCMは、NIVEAブランドが採用している、"Touch and be touched"というタグラインに倣って、"Kiss and be kissed"というタグラインでエモーショナルなベネフィットを強調しています。私の中では、まったくエッジーな印象のなかったNIVEAですが、そんな思い切ったブランディングからも、Beiersdorf社がまさにこのアメリカで勝負をかけているんだなという印象を受けました。
http://www.niveausa.com/highlights/local_highlight/local_lipcareads

さらにマーケティング志望の学生にとっては、ハンブルグ本社からやってきた採用担当者や北米支社の人事の方々がMBA採用のために設けてくださったレセプションにも優先的に参加できます。そのため、このクラスは普通のマーケティングの授業よりもキャリアに直結した授業とも言えます。実際、Beiersdorf社を受験しようとしているチームメイトは、人一倍この課題に熱心に取り組んでいました。

結果は、チームによって少なからず違いが出てきました。それは、どのアンケート回答に基づいて、マーケットをいくつのセグメントに分けて分析したかということにも起因します。

いずれにしても、我々は、いわゆるデモグラフィックな特徴によってではなく、顧客が何を望んでいるかというニーズベースによってデータを絞り込み、そのデータを丁寧に読み解くことで、ターゲットの嗜好やライフスタイルまでをもあぶり出していくことになります。その手法は、前職で経験と感覚で仕事をしてきた私にとって非常に学ぶところが多かったと思っています。