Tuesday, May 20, 2008

transformational experience - women, too!

唯一の日本人女性学生として、女性の視点からみたMBA生活をいくつかご紹介しようと思います。いずれもアメリカ人女性のケースなので、日本から留学する方にはあまり参考にならないかもしれませんが、こうしたクラスメートと一緒に勉強することもあるかもしれない留学生活。想像を膨らます材料になれば幸いです。

28歳、コネチカット州出身の白人アメリカ人の親友はMBAで、人生の舵を大きくきりました。入学前は弁護士事務所のスタッフで年収4万ドル。やりがいを感じていたけど、もっと大きな変化をもたらしたい。仕事で低所得者層の子供の劣悪な生活状況・教育水準を目の当たりにし、正義感あふれる彼女はコミュニティーデベロップメントの分野で力を発揮したいと、MBAに進学。

期待と違うMBA生活に頭を悩ませ退学を考えたり、コアのFinanceの期末試験の前は不安で涙を流したり。それでも、アメリカ最大の非営利団体のネットワーク、Net Impact のジョージタウンMBAの支部長としていろいろな改革を進めたり、しっかり者の彼女は学生ローンをくんで、足りない月は少ない時間をやりくりしてバイトまでこなす。ロマンスを楽しむ時間もあった彼女。

無事一年目を修了し、夏休みのインターンはニカラグアで開発プロジェクトを行っている非営利団体でポジションをゲット。トータルで1ヶ月半近く、現地で活動していたようです。

1年目と夏休みの経験をしっかりと消化する前に、あっという間に二年目に突入。ジェットコースターに乗ったら、シートベルトを確認する前に発車してしまったような気分で、互いに(授業のとり方によりますが)「1年目よりラク」というのはまったくのデマだね、とよく言っていたのを思い出します。

90度直下や宙返りを何度か経て、みんなよりも遅く、やっと3月中ごろから就職活動を始めた彼女。MBAホルダーなのに、「Finance」にアレルギーを抱いたまま卒業はできないと、最後になってAdvanced Corporate Finance のコースをとり、Financeへの嫌悪感を払拭した頃。なんだかピンときてapply した中堅の銀行からすぐによい返事が。3週間以内には本社での面接も済み、第一志望のポジションをゲット。

年収は以前の3倍。進学していなかったら、同じ年収を得るまでにどれだけかかっただろうか。これで進学前に抱えていたcredit card debt、卒業後にのしかかるstudent loan payment のプレッシャーから解放され、今まで手が届かなかった広い住宅やワンランク上の車...一年半、経済的にやりくりしながら勉強していた彼女の満足感・達成感・安心感で溢れ、恍惚とした表情をみて私もほろり。よかったねー!

Teach For America や、二年前の彼女だったらゼッタイ引き受けていたような非営利団体からのマネジメントレベルのオファーを全て一蹴。彼女によると、就職する銀行は地元密着型で地元のビジネスをかなりサポートしているそう。社員もがつがつしていなく、田舎に本社をおいたままにしているところが、彼女の性に合うみたい。想像していなかった形でだけど、コミュニティデベロップメントに貢献できることでわくわく。

そう、二年前に想像していなかった世界が目の前に広がっているというのが、私達の共通の意見。そうした世界が存在していなかったわけではなく、それを見る・理解する視点が私達に欠けていた。$$の入場料を払って、100階から200階まで高速エレベーターで上がってみたら、100階ではみれなかった山や海の向こうの景色が見えるようになった。さらにいままで知らなかった300階まであがるチケットを買う選択肢もできた。彼女の目下最大の懸念は、二年前から100階にいるままのボーイフレンドと暮らし始めるべきかどうか。

長くなってしまったので、もう一人の友人の例はまた今度につづきます。

erikon '08