Japan Trek その1
春がきましたね。DCもあちらこちらで桜が咲き始めて、
キーブリッジを渡る際の身を切るような冬の寒さが懐かしいほど
連日穏やかな天気です。
さて、今回から数回にわたり
3月初旬の春休みを利用して実施した
Georgetown MBA Japan Trek 2008 について報告したいと思います。
Japan Trek はジョージタウンで共に学ぶ将来のビジネスリーダーに
日本のビジネスや文化をより深く理解してもらおうとJapan Societyが企画した日本研修旅行です。
昨年の秋から準備を進め、最終的に参加者は28名と当初の予想を上回る人数となりました。国籍もアメリカ、イタリア、ナイジェリア、インド、ベトナム、ロシア、台湾と実にさまざま。
出発前から楽しく充実した旅になることを約束してくれるような多彩なメンバーです。
3月2日午後3時、成田空港に降り立った面々は長時間のフライトにもかかわらず、これから始まる日本での体験への期待で興奮した様子。
これから1週間お世話になる英語ガイド・ユカさんの出迎えを受け、乗り込んだバスは千葉を抜け一路東京へ。
ぼくたちにとってもひさしぶりの懐かしい東京の景色。
整然と海に浮かぶお台場、林立する都心のペンシルビル、渋滞中の軽自動車、赤くそびえる東京タワー、街中にあふれるコンビニ、自転車。初めての東京は彼らの目にどう映ったのでしょうか。
東京での宿は赤坂エクセル。進出する外資ホテルに対抗して最近改装されたようですが、部屋は若干狭め。
ま、都心だから仕方ないでしょう。これが東京です。
初日の夜は赤坂のこじゃれた和食ダイニング「一蔵」で、日本在住MSB卒業生を迎えてのウェルカムパーティー。旅のつかれがあるのかないのか、みんなよく食べよく飲んで、にぎやかに卒業生の方々との交流を楽しみました。
Japan Trekのメインイベントは企業訪問。
東京ではソニーとJR東日本を訪問しました。
まず2日目の午後、品川にあるソニー本社にお邪魔しました。
新しくできたという展示ホール。
一般には公開してないらしいのですが、今回特別に見せていただくことができました。
テレビ撮影用カメラや大画面でのプレステなどを実際に体験しながら最新の製品を分かりやすく説明してくれました。そのなかでもぼくたちの心をつかんだのは最新の音楽プレーヤー「Rolly」。
クリアなサウンドに合わせてキュートに踊る卵型の彼にみんな大喜び。「東京で買って帰りたい」と真剣に考える人続出。
展示ホール見学に続いて、プレゼンとディスカッション。
スピーカーを引き受けて下さったのは、現在ソニーでグルーバルマーケティングのディレクターを務めるジョージタウン大学の大先輩。とても流暢な英語で熱くソニーの将来について語ってくださいました。
学校の授業でもケーススタディなどで日本企業が題材に取り上げられることが多く、
日本企業の卓越したモノづくりの技術がどこから来るのか、という疑問を持っている参加者からはつっこんだ質問が寄せられ、とても有意義なディスカッションになりました。
3日目の朝にお邪魔したのはJR東日本。
日本における鉄道事業の先進性、ビジネスインフラとしての重要性を知ってもらおうと、
今回のJapanTrekの訪問先のひとつとして組み込みました。
訪問させていただいたのは東京駅の奥の奥にある秘密基地のような「新幹線運行本部」。
列車、乗務員、信号、電力と新幹線運行の全てを一元管理しているところです。
実際に指令員が働いているオペレーションルームも見せてもらったのですが、
そこには想像していた巨大なモニターはなく、個人のデスクにコンピューターが並ぶだけ。
今は個人のコンピュータの画面でいろんな情報を見ているのだそうです。
ちなみに大型モニターを使っていたときは、部屋の隅に座る人は双眼鏡でモニターの情報を識別しなければならなかったそうです。
新幹線の歴史から運行システムまでわかりやすく説明していただいたのですが、
「新幹線の平均遅延は0.2分」という説明に一同絶句。
列車の遅れが一時間以上というのも日常茶飯事である国で生活する彼らにとって俄かには信じがたい数字なのかもしれません。
楽しい旅はまだ始まったばかり。つづきはまた次回。
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